金融系システムエンジニアの将来性

金融系SEの需要と今後の展望
銀行・保険会社・証券会社などの金融システムを担う金融系システムエンジニアは、現在、高い需要があります。しかし、IT業界は何かと移り変わりが速いため、これからの展望や将来性が気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、金融系システムエンジニアは、今後の将来性も期待できると予想されます。理由は、私達の社会において今よりもキャッシュレス化が進むと思われるからです。具体的には、インターネットバンキングにおける送金や決済、AIを活用した自動的な資産運用などが挙げられます。窓口業務やATMは今後縮小していくことが見込まれるため、キャッシュレス化に伴う金融系システムの動きをしっかりと把握し、早めに動くのが賢明でしょう。
ここで重要なのが、需要があっても自分に対応できる力量がなければ、金融系システムエンジニアとしての未来は拓けません。つまり、トレンドをいち早く予想およびキャッチしたうえで、新たな状況に必要な知識やスキルを身に付けておくことが、今後の自分の将来性を切り拓くと言えます。
有利なスキル・資格
金融系システムエンジニアとして活躍するには、さまざまなスキルが求められます。まずは、基本的なこととして、プログラミング技術やLinuxやWindowsなどのOSを扱える技術が挙げられます。そのうえで、新しいAI技術や言語の把握も必要です。
また、金融系システムエンジニアは事務処理システムの開発に携わることもあるので、書類作成に関する知識を備えておくといいでしょう。
さらに、採用や業務において有利になる資格として、「日商簿記検定2級以上」「証券外務員検定」「証券アナリスト」「AFP」「銀行業務検定」「情報処理安全確保支援士試験」「CISSP認定資格」「TOEIC」などがあります。このような金融商品に対する知識、国内外で通用する資格をもっていると、金融系システムに求められていることが理解しやすいうえ、クライアントや雇用先からも信頼を得やすいでしょう。
法令改正やFinTechにも注目
金融系システムエンジニアが将来の展望を広げるには、法令改正に着目することもポイントです。法令遵守は当然のこととして、近年は規制緩和により、新しいビジネスを展開できる傾向にあります。これを受け、利用者に役立つ新サービスを他社(他者)よりも早く提供できれば、クライアントと自分の双方にとってメリットが得られるでしょう。「金融」というのは、あらゆる業界や企業、個人の生活にいたるまでさまざまな形で関係しています。生活に密接だからこそニーズも高いということ踏まえたうえで、政治や経済、法令等の変化に素早く対応していくことが将来性に繋がるポイントです。
なお、このような金融系システムのサービスは「FinTech」と言われます。FinanceとTechnologyを合わせた造語で、金融とIT技術を組み合わせたサービスや事業を総称。金融系システムエンジニアとして、画期的なFinTechを創出すべく、幅広い視野をもって物事を考える姿勢を大切にしていきましょう。
システムエンジニアを目指すならこちらをチェック
-
金融系情報システムの特徴
金融業界でシステムエンジニアとして働くことができる業種としては、銀行、保険会社、証券会社などがあります。それぞれのビジネスモデルによって必要とされるシステムの種類はいろいろとあって、同じ金融系だとしても、どのような業種を選ぶかによって、システムエンジニアに求められることは異なってくるでしょう。では、それらの業種で活用されているITシステムの概要とはどのようなものでしょうか。簡単にご紹介していきます。
-
心掛けるべき「高品質」
金融系システムエンジニアに求められるのは、第一に「高品質」です。いくら機能性が良くても、計算ミスを起こしてしまうシステムであれば重大な問題に発展し、最悪の場合、経済活動がストップしてしまう恐れもあります。そうなれば、単に金融業としての信用を失くすだけで済むような話ではなくなります。そう考えていくとプレッシャーも多い仕事ですが、精度の高いシステムを構築するために徹底した努力を払い、無事完成した時の喜びは大きなものになるでしょう。
-
高年収な外資系
システムエンジニアの年収は、働く業種などによってかなりの幅があります。その中でも金融系システムエンジニアは年収が高い方になりますが、さらに上を行くのが外資系です。外資系の場合、年収が1,000万円を超えるような仕事もあって、国内企業ではなかなか手の届かない夢のような年収が現実のものとなります。ただし、実力重視の外資系企業では、業績次第で突然のレイオフを言い渡されることもあるので、雇用は国内企業より不安定かもしれません。